台湾語

台湾語に漢字はない!?台湾人はよくそう言うけれど果たして本当か?

「台湾語には漢字はないんだよ〜」

と多くの台湾人がそう言います。

果たしてこれは本当なのでしょうか?

気になったので、少し調べてみることにしました。

あくまで僕自身が独自に調べ、それをもとに考察した結果なので、全て正しいとは限りませんのでご注意ください。

本当に台湾語に漢字はないの??

実は台湾語に漢字はあります

まず、台湾語の参考書を開いてみると、漢字… あります…

僕は今までずっと中国語の勉強をしてきたので分かるのですが、台湾語のピンインと漢字を見れば、「台湾語で使われている漢字」と「中国語で使われている漢字」が仮に違っていたとしても、発音的に考えると全く同じ意味として使われていることが理解できます。なので、漢字はどうやら存在しているようです。

そうです。台湾語には漢字はあるのです。

ではなぜ台湾人は台湾語には漢字がないと言うのか

それは僕が思うに、正しくは「全ての台湾語に漢字があるわけではない」ということだと思います。僕は台湾語関連の参考書を5冊ほど持っていますが、同じ意味で使われている漢字なのに違う漢字が使われていることが多くあります。

例えば、「〜したい」という表現、ある参考書では「想要〜」となっていますが、他の参考書では「想欲〜」となっていたりします。発音はいずれも「シューべ〜」となりますが、違う漢字が使われています。「想要〜」の方が中国語に寄せているのだと考えられます。

「明日(あした)」も、ある参考書では「明仔載」、他の参考書では「明仔再」となっていたり、発音はいずれも「ミナ(ヤ)ザイ」ですから、音に対して当て字を使っていることが分かります。

つまり「漢字がない部分を当て字で補っている」ということが言えると思います。

そもそも台湾語は「話し言葉」である

台湾語のルーツは福建省の閩南語であり、それは歴史的に長い間話し言葉であったとされています。書き言葉は、話し言葉とは大きく乖離した「文語」を用いることが常だったようです。

また、漢字表記がいまだに固まっていないのは、台湾語そのものを漢字表記することを人々が歴史的にあまりしてこなかったからであり、台湾人自身も台湾語は方言であると認識していて、日常会話は方言で、文章は標準語としての中国語で、という言語生活が根付いているからだという意見もあります。

僕がフィリピンに行った時も、フィリピン人がタガログ語だけでなく日常会話に英語も混ぜて使っていました。彼らが言うには、タガログ語だけでは言語的に表現できない部分があるからだそうです(例えば数字など)。

英語や日本語、そして現代中国語は言語的に成熟しており、表現できないことはほとんどありませんよね。

まとめ

「台湾語には漢字は全くないことはないが、一部漢字では表せない話し言葉がある」

というのが結論です。

巷で売られている台湾語の参考書には基本的に全て漢字表記されていますが、中には当て字も多く含まれていますので、漢字に頼りすぎず「音を聞くこと」を重視しながら台湾語を学習していくのが良いのではないかというのが僕の見解です。

とは言いつつも、人によって学習方法は様々なので、皆さんも自分に合った学習方法を是非編み出してほしいと思います。