こんにちは、成守(@narumorijun)です!
今回は、こちらの本に簡体字のルールが分かりやすくまとまっていたので下記に引用させていただこうと思います。(※漢字や表現を多少アレンジさせていただいております)
台湾の漢字は「繁体字」が使われるので、就学や仕事で台湾に行く方々は、事前に「繁体字」を知っておく必要があるのですが、それと同時に資格や仕事に活かすために「簡体字」を学びたい人もいるはずです。
そんな方は、まず「簡体字」と「繁体字」がどれくらい違うものなのか、そして双方向に変換する際にどのようなルールが存在するのかを理解しておく必要があります。
なので、今回はその8つのルールを簡潔にまとめてみようと思います。
繁体字から簡体字に置き換える8つのルール
ルール①:ヘンやツクリを簡単にして画数を減らす
最もオーソドックスで分かりやすいパターン。
これは比較的容易に簡体字から繁体字を推測できますね。
漢字の形も非常に似ています。
記→记 統→统 銅→铜 場→场 檢→检
ルール②:もとの漢字の一部分だけを使う
複雑な構造のうち特徴的な部分だけを残す
ヘンやツクリが大胆に省略されるので、ものによっては推測しづらいものもあります。
学習開始当初は門構えが省略されることには驚いたものです。
務→务 鄕→乡 類→类 殺→杀 開→开 競→竞 離→离
ルール③:複雑な部分を単純な記号にする
全体の輪郭は残し、複雑な部分だけを「又」や「夕」などの記号に置きかえる。
漢→汉 難→难 時→时 應→应 對→对 顧→顾 羅→罗
複雑な部分を「記号」に置き換えてしまいます。
いよいよ一部の原形が分からなくなってきましたね。
ルール④:以前から使われていた簡単な異体字に置きかえる
日本で使われるものと一致するものもある。
從→从 禮→礼 爾→尓 無→无 雙→双 辭→辞 聖→圣 鐵→铁
なんとかして画数を減らしたかったんでしょうね。日本語の漢字と比べると、「繁体字」と一致するものと「簡体字」と一致するものがありますので、どっちがどっちか混乱してしまわないようにしましょう。
ルール⑤:草書や行書での字形を楷書にする
もともと簡略体として生まれた草書や行書の字形での曲線を直線化する。
書→书 專→专 師→师 樂→乐 圖→图 蘇→苏 爲→为 車→车
書道をやっていた経験のある方は、もしかしたら分かりやすいかもしれませんね。
ルール⑥:複雑な部分を同音の簡単な文字に置きかえる
その漢字と同じ発音で、構造が簡単な別字を使って、発音によって本来の漢字を表す(「形声」の原理)。
遷(qiān) →迁(千=qiān)
華(hu) →华(化=hu)
鐘(zhōng)→钟(中=zhōng)
勝(shèng)→胜(生=shēng)
響(xiǎng) →响(向=xiàng)
藝(yì) →艺(乙=yǐ)
憲(xiàn) →宪(先=xiān)
ツクリの部分の音読みを考えればもとの漢字がわかることも多いですが、その他の部分の形が違いすぎて元の漢字が非常に推測しづらいですね。
ルール⑦:簡単な構造の漢字を2つ以上組みあわせる
それぞれの意味を総合化することでもとの漢字の意味を表す(「会意」の原理)。
塵→尖(小+土=ほこり)
筆→笔(竹+毛=ふで)陽→阳(陽・陰の左側+日=陽)
陰→阴(陽・陰の左側+月=陰)
孫→孙(子+小=まご)
なかなかトリッキーになってきましたね。ここまで来ると推測もやはり難しくなります。
ルール⑧:同音の別字で代用する
字形を簡略化するかわりに、同じ発音で構造の簡単な漢字にそのまま置きかえてしまう方法。「同音代替」という。
機(jī)→机(jī) 飛機(飛行機) →飞机
穀(gǔ)→谷(gǔ) 穀物 →谷物
麵(miàn)→面(miàn) 炒麵(ヤキソバ) →炒面
日本人は漢字の意味を考えてしまうので、これが最も分かりにくいと思います。
漢字が本来持つ意味が全く失われてしまっています。
特殊な例として、「发」はもともと「發」(=発。fā)の簡体字だが、この方法を応用して「髮」(fà)の簡体字としても使われるます。四声が異なるので要注意です。
出發(出発)→出发(chūfā) 髮型→发型(fàxng)
まとめ
以上の8つのルール、ご理解いただけましたか?
もしあなたが中国と台湾もしくは香港など複数の場所で中国語を使う必要があれば、「簡体字」も「繁体字」の習得が必須です。最初は難しく感じるかもしれませんが、極端に言えば慣れてしまえばいいだけのことなので、必要な方は是非覚えてみてください!